千葉県で最初にできた建設機械販売リース修理の会社といえば
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ありがとう さようなら
【2022年11月18日(金)】
本日、油圧ショベルのキャノピー(屋根)の引き取りのため、弊社工場長と南房総市のS邸へ行ってきました。この油圧ショベルは、S氏と同じ歳という縁で仲良くなった弊社前社長が大変良いお付き合いをさせて頂くなかでS氏にご購入頂いた機械です。残念ながらS氏は先日、病に倒れ帰らぬ人となってしまいました。残されたS氏の家族にとって、生前の愛機であった油圧ショベルにはお父様の姿が重なり、手放しがたいものであったかと思います。しかし、現実的には持て余すことになってしまうので『豊慶産商さんに引き取って頂きたい』との連絡が入っていました。結果として、S氏のご家族から油圧ショベルを買い取らせて頂くことに至ったのですが、愛機を引取りに行ったものの、その日はキャノピーが見当たらず、キャノピーなしでの引取りとなりました。愛機を乗せたトラックが出発する時、私はその場には居合わせませんでしたが、S氏の家族みんなが『お父さん、行っちゃうね』と涙ながらに見送っていた、と聞きました。
数日後に改めてキャノピーについて確認の連絡を入れたのですが、やはり、何処を探しても見当たらないとの返事でした。きっと処分したんだろうと考えていた矢先、つい先日『家の裏にありました』との一方が入り、本日再訪した次第です。 ご息女立ち合いのもと、無事にキャノピーをトラックに乗せ、さあ出発しようとアクセルを踏もうとしたその時、
『実は今日は父の49日なんです。もしよかったら線香をあげていってもらえませんか?』との提案があり、急遽、お仏壇に挨拶をさせて頂くことにしました。
遺影を前に、ご息女と生前のS氏のご活躍など自然と会話も盛り上がった中、ご息女がポツリと言いました。
『今までいくら探しても屋根(キャノピー)が見つからなかったんです、それは、父が家族と離れるのが寂しくて家の裏の草むらに隠していたからなんだと思うんです。49日が過ぎてついに諦めたのかしら。。。』
仏壇脇の壁には黒いソウルライダーが着るような革のベストが掛かっていました。
『あ、コレって、もしかしたら 例のハーレーに乗る時に着ていた物ですか』と聞くと、
『そうです。父はとにかくハーレーが好きで、何時もハーレーに乗って迎えに来てくれました。亡くなったときも、葬儀屋さんが『是非、当日会場に飾りましょう』と言ってくれたんだけど、鍵が見つからなくてできなかったんです。葬儀屋さんだけでなく、たくさんの業者さんも一緒になって鍵を探してくれたんだけど、全然見つからなくて、、、もう諦め始めているところなんです』との事でした。
実は、私は、30年以上の大型バイク乗り。ハーレーは憧れのバイクです。そんな素敵なハーレーを一目拝見したいと失礼ながらお願いしてみると快く承諾、ガレージのカギを開けてくれました。
ガレージの中には様々なメンテナンスされた機械や、年代物のヤマハMR50、昔、奥様が乗っていらした三輪ミニバイク等が並んでいました。
その一番奥に佇むのはサイドカー付きハーレーダビッドソン。娘さんに了解を頂き、触らせて頂きました。 ハーレーを目の前にして、なんとなく左リアシート脇のボックスが気になって、2回ほど開けたり閉めたり。その後なぜか工場長も同じ所を開け、無意識に中に手を入れていました。
『あった!』
ガレージ内で3人の歓声が湧きあがりました。中に鍵が入っていたのです!どこをどんなに探しても見つからなった鍵があったのです! 『父は、晩年付き合いのあった豊慶産商の方が49日の今日に来ることを知っていて、鍵のありかを伝えてくれたんだ』と言って、恐縮ながら大変感謝されました。
後に工場長が言っていました。 『(キャノピーを運ぶとき)娘さん、家の下のスロープから角を曲がるまでずっと頭を下げていました、そして、少し高い所に移動して、私たちが大通りに出て見えなくなるまで見送っていましたよ』
トラックの荷台に乗って家を去るお父さんの大事な形見の油圧ショベルのキャノピーに。
『ありがとう、さようなら』
私たち豊慶産商は、建設機械の販売、修理、リースを生業としています。 利益だけ追及するのであれば、売ったら終わり。そこに何も足さなくても商売は成り立ちます。 しかし、ありふれた言葉ですが、私たちは単に物を売るのではなく、その物にこもった心も大切に扱っています。
今回、このS氏の暖かい家族に触れ合って、これまでなんとなくそう思っていたことだけど、
商売人として、何が大切か、何を大切にしないといけないか、ということに改めて気づかされました。
ありがとうございます。
今日は決して忘れることできない、とても良い一日でした。
大型バイク大好き社員 Y.M